壱岐島のコスモス畑( photo by tomoko uji)

「デザイン脳を鍛える」探究の時間(長崎県立壱岐高校)”Design Thinking” class for high school students

長崎県立壱岐高校にて、「探究の時間」特別講師を務めさせて頂きました。今回のテーマは「デザイン脳を鍛える」。

課題解決のためのデザイン手法を

第一部 デザインイノベーションの解説と事例
第二部 伝わるプレゼンテーションのデザイン

という構成でお話ししました。

第一部は、「課題解決のためのデザイン」について。

いわゆる「意匠」ではなく、「課題解決」の視点からデザインを読み解きます。

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今回紹介した事例の中で、多くの学生が反応したのが、オランダの有名なデザイン建築”WoZoCo” by MVRDV(設計事務所)による老人ホームのデザイン(による課題解決事例)。

デザイン界隈で知らない人はいないほどの有名なデザイン建築ですが、床面積の拡張と入居者の増員を目指した斬新な老人ホームのデザインが学生たちには強く印象に残ったようです。

WoZoCoって何?という方は、ぜひ、画像検索してみてくださいね

課題解決はもちろんなのですが、そもそも「老人ホーム」のデザインが派手だということ自体ビックリしますよね。私たち日本の社会では「既成概念から外れている解決策」ということになるでしょう。ちなみにここは、斬新なだけでなく、「人流が絶えない観光名所」にもなっています。

既成概念に囚われない斬新なデザインをすることで、幾つもの良い連鎖が起こり続けること、「戦略」×「意匠」×「価値創出」=「持続継続」が可能になっていることもポイントになります。

生徒たちからはこんな素敵な感想をもらいました。

デザイン脳大事だなと思った

高齢者施設の部屋が足りないなら付け足すという発想がとても面白かった。

今まで考えたことのなかった方面からの物事の見方を知れて面白かったです。具体例でてきた建築物も面白かったです。

「少し難しいかな」という心配の中、「面白い」っていってもらえたのが何よりも嬉しいですね!

第二部は「プレゼンテーションをデザインする!」です。

こちらについては、拙著で近刊の『これならわかる!人を動かすデザイン22の法則』やロングセラーとなった『簡単だけどすごく良くなる77のルール デザイン力の基本』から抜粋して紹介しました。

『デザイン力の基本』より抜粋
『デザイン力の基本』より抜粋

「1シートに1トピック」や「王道の3色ルール」は実践的でわかりやすいという声をたくさん頂きました。みんな、最終プレゼンに向けて頑張ってください(私も審査員として参加します!)。

パワーポイントの配色や配置に限らず、新しいアイディアの発想の仕方についても学ぶことができ、今後の総探の活動にとても役に立つ内容で大変身になりました。円グラフの配色の仕方がとてもおしゃれで印象に残ったのでぜひ活用させていただきます。

1シート1トピックという言葉が特に印象に残りました。パワポを作るときはシンプルさを意識して作りたいです。

プレゼンの仕方や内容構成がすごいわかりやすくてわくわくする内容でした。

色の数を少なくしてみてほしいものを目立たせることがなるほどと思いました。今後に使っていこうと思いました。

今回の講演を通して課題解決のためのデザインや魅力的なプレゼンテーションを知ることが出来ました。解決のためのデザインは課題性と実用性を意識し資源と動線の有効活用することが大切だということ、魅力的なプレゼンテーションをするには、成功しているイメージから逆算して考えることが大切だということが分かりました。

思考は現実化することが分かりました。プレゼンテーションの作成で意識するよいことは、色を3色まで(=説明しなくても伝わる)とか1シート1トピック(=人間は1つのことに集中しやすい)ということが分かりました。プレゼンテーションは、伝えるだけでなく覚えてもらうことを意識して作成していきたいと思います。お忙しい中、貴重な講演をしてくださりありがとうございました。

どうやったらいいプレゼンが書けるかよくわかったので良かった

今回はデザイン思考にとどまらず、情報発信や地域課題の解決についてデザイン視点からのマーケティングの手法などについても触れてみました。

相互利益、価値創出、持続継続など、いわゆる、ビジネスパーソンのデザイン研修で触れるような内容のお話ですが、

すんなりと聞いてくれたようでよかったです。中にはなかなか視座の高い質問もありました。

デザインの面からアタックするのは面白い考え方だなと思いました。観光客向けにすべきか地元の人向けにすべきか悩んでいるのでどちらの方がいいか教えていただきたいです。

はい、ここ、めっちゃ大事な「課題」であり、大事な着眼点ですね。私自身も実際に試行錯誤中なんです。ぜひ、皆さんと引き続き、意見交換したいですね。

ほかにも、何か質問があれば、ぜひ尋ねてください(担当の先生に伝えてね!)。

「デザイン脳」という切り口自体、ちょっと高校生には難しいかな?という心配をよそに、しっかり理解してくれて、自分ごととして捉えてくれた生徒さんから、嬉しい感想をたくさんいただきました!

1番印象に残ったのは、市場を変えるという考え方です。同じ商品でも市場を日本から外国に移すことで利益を上げられるということにとても納得しました。他にも、老人ホームや使わなくなった線路の活用例などさまざまなことを学ぶことができました。今日学んだことをこれからの活動に活かしていきたいと思います。

今回の講演会で「デザイン思考」の考え方に凄く驚きました。それなりの大きな事業や物をつくっていくときには、それなりのお金や時間が必要だとかんじていましたがデザイン思考をうまく使えば、多くの人を巻き込んで少ない時間や労働で大きなものを作り上げることが出来ると知りました。総探のパワーポイントなどをより魅力的に見てもらえるようにデザイン思考を上手く活用したいと思います。

自分が思っていたデザインとはまた違った話でしたが、なかなか聞くことができない話を聞けたのでとても良い経験になりました。これからパワーポイントなど、たくさん使用していくと思いますので、いろいろな場面で活躍できたらいいなと感じました。貴重な話をありがとうございました。

私は、講話を聞いていく中で最初は規模が大きく難しそうという印象を感じましたが、後半では私にもできそうだと、やってみたいと思うことができました。先生から教えていただいたことを最大限に生かし良いパワポを作りたいと思います。ご講演ありがとうございました。

脳のカギをあけました。今のぼくはデザインを習得しました。これ生かしてパワポ作りに貢献したいです

他にもたくさんの素晴らしい感想をありがとうございました!

壱岐高校2年生の皆さんと記念撮影

壱岐高校での授業は、早いもので、4年目になります。地元の公立高校での授業という大変に良い機会を作って頂きまして本当にありがとうございます。若い世代とふれあい、こういったデザインの講義を通じて、壱岐島の未来は明るいなぁと感じました。

ご尽力いただいた担当の先生方には心からお礼申し上げます。

10月中旬 早朝の錦浜海水浴場(誰もいない海)

「壱岐島ってどんなところ?」という方、福岡から高速船で約1時間、長崎空港からは約30分と思いの外交通の便が良いのが特徴。自然に恵まれた離島です。米所でもありご飯もとても美味しいのですが、これから冬にかけてはお魚のおいしくなるシーズンです。暖かい日は、まだまだ、海遊びも楽しめそうですよ。ぜひ、機会があればお訪ねくださいね!

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ウジ トモコ (TOMOKO UJI / 宇治智子)

Strategic Design Consultant, Designer ,CEO at Uji Publicity / Director at “JUSTIDA” / Adobe Community Expert